16F648Aは秋月電子で10ヶパック2000円(@200円)とかなり安いこともあり、A/Dを使用しなくて良い場合の私的電子工作では標準的に使用するチップとして定着したのですが、当初は大変でした。(16F84Aを使えば良かったのでしょうが)
まず、Microchip純正のプログラマPICSTART Plusが、このチップに初めから利用できた3.x系のファームウェアでは非対応でプログラミングできないうえに更新されなくなってしまいお手上げ状態に。さらに新しいファーム4.xに対応するプロセッサを含めたPICSTART Plusアップグレードキットが米国Microchipサイトの通販では日本以外にしか発売されず、日本で入手できない状態が続いてさらに追い打ちです。たしか秋月のプログラマキットもしばらく対応できていなかったと記憶しています。PICSTART Plusでなく、ICD2を買えば良かったかもしれないと、相当悔みました。購入して半年位の話でしたし、ファームウェアアップグレード時のための17C44の窓付きデバイスも買っていたせいもありかなり沸騰状態になっていました(ファームのアップグレードは3.00から3.11へ1度行ったので役にはたったのですが・・・)。
当時、中国と仕事で密接に連絡を取っていましたので、取引先の人に現地の法人か代理店にアップグレードキットは入手できないか調べてもらい、代理購入してもらった上で来日する用事がある際に持ってきてもらうという、かなり大回りな方法で入手を画策。その甲斐あって、国内で発売されるより前に入手できて金額的にも安かったので大変助かりました。おかげで私のアップグレードキットの箱も中身も中国製です。晴れて16F628Aと16F648Aはプログラミングできるようになりめでたしめでたし。
中国経由入手のアップグレードキット
貝能科技(BURNON TECHNOLOGY)製 PICSTART UPGRADE BOARD
アップグレード基板
裏側に18F6720と元のPICがつながるソケットが実装されている。
左端にISP用のコネクタ用と思しき配線。
なぜか基板に焼け焦げたあとがありますが、動作に支障ないようです。
プリントパターンは米国版と少し違うようです。
現地で注文すると作ってから出荷という受注生産品だったらしく、それなりに待たされたようでした。現地価格300元(280元+送料20元、日本円だと4000円位)で、いくら経済状況の良い上海と言えどもそれなりな高額商品で、手間も考えると個人的にお願いしたので苦労をかけたと思います。この場を借りて改めてお礼を言わせて頂きます。
微妙にファームがMPLAB IDEのバージョンアップとともにバージョンアップし、秋月のPICプログラマーキットver4でも非対応のデバイスが利用できるのでうれしい限り。
ただし、PICSTART PlusではダメでICD2でしかプログラミングできない18F系のデバイスが多いのが難点でしょうか。
しかし、PICSTART Plusを開封し、ボードのソケットから17C44を外して紫外線消去して、新しいファームのHEXファイルを読み込んでプログラミングする手間からは解放されたのは、かなりうれしいですね。ただ、ICD2は元からこの状態だったので、今でもPICSTART PlusにせずにICD2にしておいた方が良かったという悔恨の念は捨てきれていません。