PICの業界と言うか世界ではかなり有名な後閑さんのPICFUNで紹介されているPICを使用した周波数カウンターを製作しています。自作測定器の定番というヤツでしょうか。あると何かと便利ですし、工作復帰のリハビリを兼ねて製作させて頂きました。
半完成の周波数カウンタ
表示回路用のPICのクロック(10MHz)を測定している。
後閑さんのウェブで公開されている例ではプリント基板をおこして作っていらっしゃるのですが、その設備も気力も無いので、これまたユニバーサル基板で組み上げました。部品配置などは十分検討してきれいに収まり、入力回路部分は引き込み部から最短配線になるように気をつけて配置しました。その他変更部分は、以下の通りです。
・手持ちの28pinのPICは16F873が無かった
コンフィギュレーションビットとデバイスを変更し、16F876で再度HEXファイルをビルドし、書き込みを行っています。
・表示ドライバの変更
LEDの表示ドライブにMOSFETアレイが使用されていましたが、入手と価格からトランジスタアレイに変更し、飽和電位も変わるので合わせて電流制限抵抗も見直しました。
・表示部分の変更
表示部分をもっと汎用化し、信号レベルの配線と電源でドライブできるように表示基板側にドライバ用のトランジスタアレイを実装しています(後閑さんの製作例ではMOSFETアレイの出力が基板への配線で直接点灯させています)。
さらに、ジャンパ線で変更している測定部の条件変更をボタンで変更したり、別の表示を行わせる部品を追加実装するためにスペースを空けてあります。当然プログラムを改造しなければなりません。
・電源回路の変更
電源回路をメイン基板に実装するためにブリッジダイオードを新電元のS1WB60に変更しました。また、デジタル回路への給電側にチョークコイルを入れて、チョークコイルの手前でアナログ回路へ給電し、アナログ部へデジタル部のノイズが回り込むのを防ぐようにしました(それほど気にする必要は無かった様ですが)。
作ってみて基準とする水晶発振器の発振周波数は12800000Hz(12.8MHz)と最終桁まできれいに表示されますが(原発振をカウントしているので当たり前)、表示用のPIC16F876に使用している10.000MHzの表記のある水晶発振子の周波数はご覧の通り9999496Hzと表示されています。実装前に単純な発振回路を組んで同じように手持ちの10.000MHzの水晶を何個か差し替えて測定してみましたが、やはり発振周波数の表記に対して0.01%(±1KHz)程度の誤差があります。CR発振器やLC発振器に比べると格段に発振周波数の精度と確度および安定度がありますが、製造時の誤差があるのを直接に目で見る事ができました。
実際には水晶の結晶をカットして研磨した機械加工品であることを考えるとすごいですよね・・・
原発振の発振モジュールも経年変化や温度変化があるので、製作した周波数カウンタ自身の校正をしておかないと「正しい」周波数が表示されているとは限りません。このままでは本当はだめなのですが、まぁ、そんなレベルで誤差が云々という事がありませんので、これで良しとしています。
ケース加工はLED表示窓の大きな四角い穴がある上に、基板の取付けネジや電源用トランス、ヒューズホルダー等の電源まわり取付けのねじ穴等、かなりの数の加工が必要ですし、LED用のスモークアクリル板もきれいに加工しないとならないため作業量が多く、ちょっと腰が引けています。しっかり図面を引いて加工プランを立てないと気が済まないので、ケース組付けはしばらく先になりそうです。
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