お正月と言えばカルタ取り・・ん〜、もう絶滅寸前の遊びでしょうかねぇ。
東西のいろはカルタ
いろはの「い」で既にちがう
いろはカルタですが、いろは48文字で始まる文章を読んで、絵札を取る遊びですね。
大阪を中心とする地域で出回っているカルタはどうもこの文章が大阪風らしいのです。昨今の東京印刷文化の全国制覇で絶滅してしまっているものもあるかもしれませんが、大阪らしいものも多く残されています。
【い】
(大阪)石の上にも三年(「一寸先は闇」とも)
(東京)犬も歩けば棒に当たる
いろはカルタが「犬棒カルタ」と称される所以はここにあるのですが、大阪は「犬棒カルタ」とは呼べませんね(笑)。
【に】
(大阪)二階から目薬(「下からべかこ」と続く場合もある)
(東京)憎まれ子、世にはばかる
シニカルな江戸に比べてやはりユーモアを感じさせる上方。「べかこ」とは大阪に今も残された言葉で、一般的には「あかんべえ」という言い方をするアレです。「桂べかこ(現:三代目桂南光)」は標準語的に直すと「桂あかんべえ」、
【ち】
(大阪)地獄の沙汰も金次第
(江戸)塵も積もれば山となる
どちらも金銭感覚を問われる内容なのですが、「金次第」ってところが大阪的?
倹約的な「塵も積もれば・・」の方が大阪向けのような気もしますが、そうでは無いんですね。
【わ】
(大阪)笑う門には福来たる
(東京)割れ鍋に綴じ蓋
笑いが原点となる大阪らしいたとえです、「笑門来福」の文字が大阪のモットーでは無いでしょうか。
割れ鍋とはやきつぎ等をして補修した鍋、綴じ蓋とは閉じた蓋ではなくわれた部分等を補修してつないだ鍋蓋を言います。
[参考資料]
牧村史陽編 講談社学術文庫 大阪ことば事典第13刷
付録 いろはたとえ
時田昌瑞著 岩波書店刊 岩波いろはカルタ辞典
※上記資料を参考に私の方で大阪(上方)らしいと思われるもの、東京(江戸)らしいと思われるものを取捨選択しました。明らかに分かれるものもありますが、どちらでも言い習わされるものもありますので、一意的にここに上げた内容になっているとは限らない点があります。ご容赦ください。
コメントする