大阪の北摂には明治の森箕面国定公園というのがあり、紅葉の名所になっています。
みのお名物「もみじの天ぷら」
これはお土産用の100gの箱入りである
阪急箕面駅から箕面の滝にいたる道(通称「滝道」)の沿道には観光地よろしく、何件ものお土産店が並んでいます。そこで販売されているのがこの「もみじの天ぷら」。すでにかなり昔から箕面名物と化しています。
天ぷらと言っても、甘い衣がお菓子のかりんとうのようです。大豆油、ごま油よりも重めの菜種油を使って揚げているのが特徴です。これはもみじの天ぷらが『発明』されたとき、行灯の油を流用したとの事です。
かなり「甘くてくどい」と感じる方が多いようですね。
で、本当に紅葉の葉が入っていまして,この紅葉の葉の形に衣をつけて揚げるのが難しいとの事。へたくそが作るとこの写真のように紅葉の葉の形が綺麗にできないそうです。
だいたい「もみじの天ぷら」って知っているかと聞くと、ほとんどの人達はまず、「えっ?」とびっくりした顔つきの後、かなり怪訝そうな顔つきで眉間にしわを寄せながら「そんなもの食べずとも・・・」とか「食べるものなんですか?」や「もみじの葉っぱ入っているんですか?」という返事が返ってくるのがほとんどです。
かなりゲテものに映るものなのですが、なぜか箕面のもみじの天ぷらは私が幼少の頃からず~っと売り続けられており、一向に無くなる気配はありません。
もみじの天ぷら
まさにもみじの葉がごまの入った甘い衣に付けて姿揚げされている
横においてあるのは説明書きで、由来などがかかれている
その実体はというと・・山菜で木の葉を使った精進揚げと思えばそれほど違和感を感じないと思われますが,かりんとうのようにかりっとして甘く、ごまの風味のする揚げ菓子だと思えば良いのです。役の行者(えんのぎょうじゃ)が箕面で修行中に作ったとのとの事で説明書きをそのまま信じると1300年の歴史があるそうです。
もみじの葉の風味は期待してはいけません。
お土産用の物は油切りを何度もしているそうですので、それほどくどくは感じません。揚げたてをそのままいただくのが一番美味しいのですが、この揚げたてが残って冷えてしまったものはベトベトになってしまいかなり残念な状態になりますので現地で買い求める場合は注意しましょう。
紅葉のシーズンだけ販売されるのではなく、シーズン時に採集した紅葉の葉を塩漬け保存して使用しており、一年中販売されています。秋は言うに及ばず、冬から春、さらに夏でも売っています。
大阪箕面名物のふしぎな食べ物です。
どうしても食べてみたい!という方は箕面に行くか、通販をしている店舗が何件もあるようですので、Googleなどで調べて購入してみて下さい。
[参照資料]
石毛直道著 小学館 上方食談 2001年11月20日初版
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