通常のピンセットは、つかむと物をつかみますが、こいつはひねくれています。
逆作用ピンセット(ホーザン P-89)
通常のピンセットはつかむと先が狭まり物をつかむようにできています。しかしながら小さな部品を持ったまま長時間つかみ続けるとか持ち続ける作業が多くなると指がつりそうになってしまいます。
で、こんな工具の登場になる訳です。通常のピンセットとは逆につかむと先が開く。で、どうやって部品を保持するかというとつかんで部品の所まで先を持ってゆき、つかむ動作を緩めると勝手に先が閉まって部品をつかみます。部品をつかんでしまえば、もうピンセットは持っているだけでつかむ力はいらないのに、部品を先端に保持したままの状態にしてくれます。
つかむと離す、離すとつかむ。普通のピンセットと逆の動作をしますので、逆作用ピンセットと言う名称なわけです。
部品をつかんでいる状態
この状態でピンセットは持つだけで部品はくわえたまま保持される
ただしつかむ力はピンセットの力のみなので、きつくつかむ事はできない
つかんで離す動作が多いと通常のピンセットの方が楽ですが、つかんだままの状態が長くなる場合、たとえばビスを保持して締めるまで持っておきたい場合。ナットを保持したまま反対側からねじを締めたいのだが手が届かない場合など、ちょっとした事なのですがあると重宝します。
例によってあまり出番がありませんが、あればあったで重宝する逆作用ピンセットです。値段はそれほど安くありませんので、使用頻度を考えるとちょっともったいないかもしれませんね。でもラジオペンチやロングノーズプライヤに比べて細かい操作が行えますし、狭い箇所の奥の方まで届きます。
なんといっても保持するために力を加え続けなくて良い点ががラクチンです。
装置の奥に落ちたネジをピンセットで拾おうとしていて、
そのピンセットを落として事態を悪化させたことがあります。
このピンセットなら楽だったかも、です。
水魚堂 岡田さん、コメントいただきありがとうございます。
ただ、通常のピンセットと違い、開くのに力が要るので操作性は実は悪いかも・・。
つかむ力はピンセットの持っているバネの力しかありませんので、あまり重い物やしぶといものをつかむのには向きません。
しかし、実際、コメントに頂いたような隙間に落ちた部品類を取り出すのにはよく利用しており重宝しています。つかんだ先のモノが滑るとさらに行方不明(笑)になりますが。