やっつけ方

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 大阪の言葉なにげなく使っていますが、いざ大阪弁の通用しないところでどういう意味か説明しようとするとなかなかニュアンスが伝わり辛いですね。

 やっつけ言葉

 「シバク」「ドツク」「イワス」「イテマウ」「イテコマス」などなど大阪弁で使われるやっつけ言葉は多彩な言い回しが有りますが(笑)、どう違うか説明しろといわれるとなかなか難しいものがあります。

 シバク(動)
 紐やむちなどの細いもので打つ。「しばいたろか」と言えばなぐる意味になる。
 と、あります。手のひらで叩く場合もシバクでしょうか。まだ、かわいい方と思います。
 「しばかれた」となると、まぁ赤くなった程度。
 用例)「あいついっぺん、しばいたろか。」

 ドツク(動)
 打つ。なぐる。こづきまわす。ドヤス。ドヅク。
 と、あります。語源としては接頭語「ど」に「突く」が来て「ど突く」です。
 シバクより痛い目に遭いそうです。
 「どつかれた」場合は、青痣やたんこぶの1つは覚悟の状態。
 ドツキマワスとなるとかなりボコボコの状態でしょう。
 用例)「おのれ、どつかれたいんか?」

 イワス(動)
 やる。やっつける。
 と、あります。語源は「言わす」であり、グウと言わす意味から。
 相当な目に遭いそうですね。病院送りは確実か。
 「血ぃみるぞ」と変わらないかも。怪我の2つや3つは覚悟。
 用例)「めざわりなやっちゃ、一遍いわしといたれ。」

 イテシマウ(動)
 行ってしまう。やっつける。
 と、なっています。語源としては「行(い)てしまふ」からの訛。
 「いてもうた」と言えば死んでしまった(去てもうた?)意味もあり、棺桶送りの状態ですね。
 かなり深刻な状態になっていることは間違いありません。
 用例)「あいつ堪忍ならんよっていてしもうたれ。」

 イテコマス(動)
 目的を達しようとする。
 とあり、「いてこまされる」とやっつけられた意味になり、これまた痛そうです。
 語源としては「行てまう+こます」で、「〜してやる」と言う意味の罵倒の補助動詞がついたもの。
 語感にくらべて結構深刻な状態に陥っていることは間違いありません。病院送り覚悟かも。
 用例)「言う事聞かん奴は、いてこましたれ。」

 笑って済ませるもしくは話題のタネにできるのは「シバク」「ドツク」ぐらいまででしょうか。「イワサレタ」り、「イテコマサレタ」りされるとかなり深刻な状態でしょう。体はボロボロ、最低でも口の中は切れて鼻血ぐらいは出ていそうです。場合に寄っては病院送りで救急車の必要もあるかもしれません。ブルブル・・。
 そのまま霊柩車を呼ばれる状況かも・・・・・ゾクッ。

 しかし気難しいながらもおおらかで「はんなり」とした大阪人、ここまで怒らせるような事をしなければ付き合いも難しくなく、生粋の江戸っ子の気の短さに比べたらのんびりしている「はず」なんですがねぇ。


 [参考資料]
 牧村史陽編 講談社学術文庫 大阪ことば事典第13刷
 より、各単語の意味の一部を引用

 前田勇編 東京道出版刊 上方語源辞典 初版
 より語源を引用

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このページは、なんぎが2006年5月15日 12:27に書いたブログ記事です。

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