シリアルと言っても朝ご飯に食べる奴ではありません。
以前に便利小物(#5)でご紹介したI/O-DATAのUSB-RSAQ2ですが、仕事でシリアルターミナルを使わざるを得なくなり、「よし!ここで一発OSXでシリアルだ!」と奮起したのですが、いきなり出端をくじかれました。
まず、メーカーのページからはMacintosh OSX版のドライバをダウンロードできず。OS9までの環境でしかドライバがダウンロードできません。さすがに生産終了から時間が経過しているので辛い状況です。
USB-RSAQ2の内部基板
中央に見えるのが問題のPL-2303
いろいろGoogleなどで検索を掛けると、どうやらこのアダプタは台湾のProlific社のUSB-232CブリッジであるPL-2303というチップを使用してしているので、このドライバが無いか探してみますと、なんとアップルサイトからのリンクでドライバが入手できるのを発見しました(検索語は"PL-2303 Driver"で見つかりました)。
まず、米国アップルのOSXのダウンロードサイトに移動します。
検索の「Search Downloads」で、PL-2303をキーワードにカテゴリーをドライバー(Drivers)を指定して検索するとライセンスがGPLの利用フリーな汎用ドライバー「PL2303 Driver - Drivers 」がリストアップされますので、これをクリック。ダウンロードのページへ移動したらドライバーをダウンロードしてディスクイメージを入手します。
このドライバ−は、BJA Electronicsが作成して公開している物です。I/O-DATAのベンダーIDを持った機器の他にもRATOC Systemsを含めて日本や海外を問わず多数のPL-2303搭載の機器をサポートしており、PL-2303の汎用のデバイスドライバとして利用できるようです。
ディスクイメージ
インストール用パッケージが1つあるだけだ
ディスクイメージのパッケージをダブルクリックしてドライバーをシステムの起動しているディスクにインストールして再起動を掛けます(インストール中のライセンスなどは全て英語表記です)。
新しいポートが見つかった
認識した場合はこのようにアラートダイアログが表示される
再起動後、システム設定のネットワークから「表示」リストの「ネットワークポート設定」を選択して、使用可能なポートのリストを表示させます。このとき、すでにUSB-RSAQ2を接続していると新しいポートが見つかりましたという注意のダイアログが表示されるはずです。
システム環境設定のネットワーク
表示のポップアップからネットワークポート設定を選択して利用可能なポートリストを表示させる
リスト中のPL2303にチェックを入れると利用可能な状態になります。
ターミナルを起動して、デバイスができているか確認してみます。
nanghi:~ nanghi$ ls /dev/*.PL* /dev/cu.PL2303-3B112 /dev/tty.PL2303-3B112
このように、デバイスができていれば、PL-2303のデバイスを利用するデバイスファイルが出来上がっているはずです。
ここでターゲットのシリアル装置を接続し、screenコマンドを利用してttyとしてシリアルを指定して通信を開始させてみましょう。
nanghi: ~nanghi$ screen /dev/tty.PL2303-3B112 9600 cs8
ターミナルからシリアルを利用している状態
ルーター機能内蔵のL2スイッチにシリアルコンソールとしてログインした
通信接続条件は9600bpsパリティなし・8bit・ストップビット1(9600N81)である
screenコマンドでは指定できる通信パラメータが限られていますので、シリアルターミナルソフトなどを利用してターゲットにあった通信条件を指定してください。
OS9やOSXの昔の時には、たまに使用してはいましたが自宅ではMPLAB IDEなども含めてほとんどの開発環境がWindowsだったこと、またレガシーデバイスとしてシリアルポートコネクタもある事からMacintosh側は放置されていました。さらにOSX 10.4からは諦めていたのですが、やっとMacintoshを使う上で、いわゆる通常のシリアル通信ポートが利用できるようになりました。
ドライバを開発してくれた人たちに感謝