損得勘定

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 大阪では一時の損は見逃して相手とは長期的に見る事で得になるような商売のやり方を「損して得取れ」と言われます。

そんクリニック
 「そんクリニック」

 まぁ、そんな(シャレではありません)事ではないのでしょうが診療所でこの名前の看板を初めて見ると、ちょっとクエスチョンマークが頭の回りに一杯出てきます。

 なんのことはない「孫(そん)」さんのクリニックなんですが、これまた、ひらかなで強調して書かれているとちょぉ~っと、心の底から沸々と沸き上がるものがあります。
 はたして「そんクリニック」は得を取れたのでしょうか。
 ちなみに中国で孫は「子ども偏に小」と書き、発音もソンではなくスン(sun1)になります。

 大阪の商売としては「今回は、まけときまっさ!」と言って安くしたとしても、次回の商いで安くした分以上に利益が出れば最終的に得になることから、一時の損を無理に利益に転じさせて長期的に不利益を生むのであれば、その時は損をしのいでおき最終的に利益を出せばよいという実に奥ゆかしいというかしたたかな商法なのです。
 ま、最近は公開株式の会社では「モノを言う」株主が多くなったためか短期的な利益だけで損得勘定をしてしまい、長期的な展開ができなくなってきたようで、会社の基礎体力が維持できなくなるのではないかと他人事ながら心配してしまいます。

 [参考文献]
 牧村史陽編 講談社学術文庫 大阪ことば事典第13刷
 ソンシテトクトレ【損して得取れ】の項を参照

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このページは、なんぎが2007年1月15日 12:03に書いたブログ記事です。

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