「おこし(粔籹)」という和菓子があります。
粟おこしと雷おこし
「おこし」という和菓子がありまして、うるち米を蒸して強飯をつくり、細かく砕いて水飴・砂糖などで固めて型に入れて乾燥させたお菓子です。
ここで「おこし」が微妙に違います。
梅仙堂
天狗おこしの名前で粟おこしがある梅仙堂
大阪のおこしは菅原道真公に由来があり、どの店の粟おこし・岩おこしも梅鉢の紋が入ってます。
岩おこし(粟おこし)と言う商品名から想像できるように非常に固いお菓子です。また、粟おこしという商品名から粟を使って作ったお菓子のように思いがちですが、実際は細かく砕いた米が原料で粟が主原料ではありません。この砕き方をもっと細かくしてコンクリートのごとくガチガチに固めたものが岩おこしで、歯が欠けるぐらい固く、いったい誰が食べるのかと思うくらいです。生姜風味なのでどう考えても若者の嗜好ではなく、ご年配の方が好んで食べそうな感じであるにもかかわらず、相当固いので大丈夫かと心配になります。
対して東京で有名な雷おこしは浅草寺の門前で売り出したのが起源で、こちらも米を使うのですが蒸したあとに、煎って膨らんだ米をベースに砂糖・水飴・落花生などをからませて型に入れて固めたものです。
大阪のおこしにくらべると遥かに柔らかくサクサクとした食感が味わえます。
とにかく、固い!
そうそう、この「おこし」の駄洒落で「粟おこし〜、またお越し〜」というのがあります。
おそまつさまでした。
[参考文献]
牧村史陽編 講談社学術文庫 大阪ことば事典第13刷
オコシ【粔籹】の項を参照
「あわおこし」の原料、その通りでして「粟」ではありません。
割れ米など二級米を消費するためだったとか。
そうなんです。見た目が細かい穀物風なので「粟」を使っていると思われている方が多いようですが、お米のお菓子になっています。
初めは本当に粟を使っていたらしいのですが、途中からご指摘のように米を無駄無く使うためのお菓子になりました。
しかし、水飴がねとついて歯の詰め物が外れるのではないかとびくびくしながら食べ無ければなりません。強敵です。