「かちん」。そう言われても何の事やらさっぱりわかりませんよね。
かちんうどん
焼き餅と薬味のネギが入る事が多い
店にもよるがうどんのほかにそばも供されている
「かちん」が入ったうどんなのですが、メニューには「かちんうどん」「かちんそば」としか書かれていません。若い世代の方々も判らない方が多いとは思いますが、かちんとは餅の事を指す言葉です。
元々は内裏の女房言葉だったそうですが、いまではほとんど使われず、うどん・そば屋のメニューに残るのみとなってしまいました。逆に「かちん」そのものを日常で餅を指す言葉として使われないようになっているので「かちん」の入ったうどんは何なのか判らなくなってしまっているのでは無いかと思われます。
入れる餅ははぜんざいの時と異なり、四角い焼き餅が入る事が多いようです。
で、このメニューですが、どうも関東へ行くと「力(ちから)うどん」と呼ばれるようでして、力うどんの名称で即席麺を出しているメーカーもあります。力うどんの方がなにが入っているか判らないのは私だけでしょうか(笑)。力うどんの餅は焼かれていない事も多いようです。ちょっと微妙ですね。
[参考資料]
牧村史陽編 講談社学術文庫 大阪ことば事典第13刷
カチン(名)の項参照
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