今や名前を知らぬ人も少ないアルバート・アインシュタインのこれまた有名な相対性理論。ちょっと見返してみました。
マーチン・ガードナー著 金子努訳 白陽社刊
相対性理論が驚異的によくわかる
原題「THE RELATIVITY EXPLOSION」
1992年10月10日 初版第1刷発行
ISBN4-8269-0050-3
前回に引き続き、マーチン・ガードナーの著作による本です。
お借りした状態の時に表紙の焼けがあったり、ページが脱落しそうな箇所が有ったりと、かなりクタクタでした。その上、イヤな話しですが、誰かの書き込みがあり、しかもボールペンで消せないものもありました。公共の財産に対してこのような落書きと等しい行為は絶対やめてほしい。次に借りた人が気持ちよく読めるようにするのが、公共財としての図書館の本を借りる際の最低限のルールです。
と、ここでこれ以上クダクダ愚痴るわけには行きませんので内容を…。
この本は「百万人の相対性理論(原題 Relativity for the Million」に加筆改訂を加えたものです。とはいえ、この本の発行した時代から相対性理論とそれに続く理論等に対して検証が進んだ内容(重力理論)や、発見などが行われたもの(クエーサー、パルサー、ブラックホール)を補足、その他かなり手を入れているようです。
掲載の挿絵がさすがに発行された時代を感じるものがあるのは致し方ありません。超音速中距離巡航ミサイルのモデルX-10があったり、宇宙飛行士の宇宙服もキャプテン・ウルトラみたい(笑)だったりと時代が感じられます。
しかしながら内容は決して古く無く、いまでも同じ記載で通じるものばかりです。
また、元が「100万人の…」と言うこともあり、大変分りやすく書かれており数式の記述もほとんどありません。
ローレンツ収縮(ローレンツ・フィッツジェラルド収縮)がなぜ生まれたかなどの経緯がいままでの相対性理論の本ではほとんど書かれたものを見たことがありませんでしたので新鮮でした。エーテル(胡散臭い)が有る・無しの認識で宇宙が変わる(収縮する理由が変わる)というのも改めて考え直させられます。
後半の一般相対性理論とそれに関連した重力理論の辺りはさすがに難しくなります。
『相対性理論』という言葉だけが一人歩きした理論に対してその端緒を知るには非常に良いガイドとなる本でしょう。
コメントする