天才手塚治虫の名作をモチーフにした「プルートゥ」の元ネタです。
手塚治虫著 秋田書店刊 SUNDAY COMICS
鉄腕アトム3巻
平成11年7月5日発行
ISBN4-253-06481-7
初出は1964年(昭和39年)「少年」6月号~1965年1月号である
浦沢直樹氏によるオマージュ作品である「プルートゥ」ですが、鉄腕アトムのエピソードのひとつである「地上最大のロボット」をベースにしてストーリーが作られています。
登場するロボットは同じ。
- スイス「モンブラン」
- スコットランド「ノース2号」
- トルコ「ブラント」
- ドイツ「ゲジヒト」
- ギリシア「ヘラクレス」
- オーストラリア「イプシロン」
- 日本「アトム」
加えて、ボラー、ウラン、アブーラ博士、ゴジ博士も登場。
本編は鉄腕アトムのタイトルどおり、アトムが主人公として活躍しますが、プルートゥのほうはユーロポールのロボット刑事という設定は同じですが、ゲジヒトがほぼ前半の主役を務めています。ゲジヒトとはドイツ語の「gesicht 」で、「顔」と言う意味があります。
手塚オリジナルのゲジヒトは石ノ森章太郎のロボット刑事Kに似ていなくもありません。もちろん、鉄腕アトムのほうが先に発表されたので、石ノ森章太郎の作品のほうがアトムの中のゲジヒトに似ていると言ったほうが良いでしょう。
浦沢直樹のプルートゥと、手塚治虫の地上最大のロボット編は基本的な部分や登場人物などが重なっていますが、浦沢版と言ってもよいほど違う作品であり、リメイク版といえます。
こちらの鉄腕アトムがネタ本ですので、こちらを読むとプルートゥの粗筋や設定の基礎になった部分などがわかってしまい、ネタバレといえなくもありません。
しかしながらどちらの作品も面白く読めます。
オリジナルの鉄腕アトムは時代が古いとは言え、さすがに手塚治虫作品であり、そのストーリーやプロットは現在でも通用すると感じますし、逆にプルートゥは現在のテクノロジーなどをベースに社会情勢などを織り込んだ複雑な展開となっており、ベースの鉄腕アトムという漫画を塗り替えた設定・ストーリーとなりました。
こちらの手塚治虫作品を呼んでから浦沢直樹作品を読むもよし、逆でも充分楽しく読めます。
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