まあ、超常現象と言われるものはハナから信じませんが。
久我羅内著 ソフトバンククリエイティブ刊
サイエンス・アイ新書
不可思議現象の科学
〜心霊現象、UFO、超能力、生まれ変わりなど、その真実を科学の力で明らかにする!〜
2009年10月24日 初版第1刷発行
ISBN978-4-7973-4405-9
とにかくオカルトや似非科学は大嫌いなのですが、それを解き明かすという主張も結構怪しかったりして、どっちもどっちという場合があります。
この本の場合は種々の科学的アプローチを提示していますが、「〜説」や「〜仮設」のほか、「〜現象が原因ではないかと思われる」といったイマイチ決め手に欠ける論調なのが残念です。
ともかくも人間の感覚が生み出した現象ですから、起因は人間の感覚器官である目や耳から得られた信号とそれらを処理する脳の中で生み出される事は間違いないのですが、その仕組み自体があまり解明できていない事から、どうも歯切れの悪い論調になってしまわざるを得ないのが難点と言えるようです。
超心理学とか超常現象と同じ扱いにあるのが心理学だと思います。
なにせこちらも判断する側が判っていない事を仮設もしくは論説して理論建てる訳ですから、本当のところはどうか判ったものではありません。フロイトもユングも実は判っていなかったか単なる思い込みの激しい人という可能性もある訳です。
心の問題はロジカルにしようとすればするほど、主観と客観、事実と仮定の境界線が曖昧になってしまいます。
とりあえず、心配事の原因は超常現象でもなんでもなく、ある程度理屈のつく説明があるようだと安心したい向きには良い本では無いでしょうか。
コメントする