野村胡堂による小説「銭形平次捕物控」の主人公、平次の投げ銭で有名です。
寛永通宝の看板
某和菓子店の看板代わりに掛かっている大きな寛永通宝です。
時代小説である「銭形平次捕物控」の主人公、岡っ引である平次が活躍し、犯罪者を捕らえるストーリー展開でテレビ番組では大川橋蔵氏が演じていたものをご記憶されている方も多いのではないでしょうか。
実際は岡っ引は正式な幕府の役人ではなく私的に用いられた使役人であり、無給だったようで、平次のように岡っ引家業のみで生計を立てることはほとんどありえなかったそうです。また、十手も実際の役人である同心以上でなければ房の付いたものをもてず、時代劇ドラマなどで見られる紫色(高貴な色となる)の房の付いた十手を岡っ引きが持つことはありえないようです。
しかし、投げ銭という妙手をうまくストーリーに組み込み大ヒットしました。
寛永通宝は寛永2年に鋳造が始まり、明治ごろまで使われていて、通貨の切り替えを行った後でも銅製1文銭は1厘として公式に通用したそうで、息の長い鋳造貨幣でした。
銅製の1文銭のほか、裏に波型のあるやや大きい真鍮製の4文銭(通称波銭)のほか、それぞれ鉄製のものも鋳造されていたようです。
この4文銭のおかげで江戸の商品やサービスの金額が4の倍数になっているものが多いのです。そばは16文。これは二八そばからのしゃれかもしれませんが、だんご一串4文、銭湯8文など、4の倍数で金額が決められていたものがおおいのはこのせいです。
あれこれこだわらなければ、古銭を取り扱いしている店でもそんなに高いものではないようですので、ネタとして本物を手に入れるのも悪くないかもしれませんね。
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