以前ご紹介したエフェクター本の第2弾。
畑野貴哉著 リットーミュージック刊
土日で作るオリジナルエフェクター2
2009年2月初版発行
ISBN 978-4-8456-1654-1
とりあえず、肝の部品がヴィンテージ。
配線材などもある程度指定があり、マニア向けエフェクターの自作指南の本です。著者はほとんどカリスマの畑野氏。
と、なれば、もう必然的にマニアによるマニアのためのマニア向けエフェクター製作本です。
電子回路うんぬんというより、実体配線図がメインの自作系電気本という印象が大きくあります。指定部品は大阪ではほとんど店頭入手できないものばかりが指定されており、秋葉原に足しげく通える人で無いと再現が難しいのが困ります。
すでに入手した店舗の店頭在庫が希少な部品でさえ使われていますので、ほとんど自己満足の世界と変わらないのではと思わせられます。
今回はなんと真空管を使ったブースターとリミッターが登場。
電池では長時間の利用は限界があり、さすがに運用に無理があると思うのですが、あえてヴィンテージを求める姿勢を貫き、製作記事になっています。
本文、製作記事として部費集めのハードルはかなり高いです。
しかしながら、前述のように実体配線図を大きく掲載し、電気・電子の知識に長けていない人でも作ってしまえるよう、丁寧に書かれています。
初心者のエフェクター製作のためのベストな本とは言いがたいですが、気軽に作りたいという人への低いハードルは賞賛に値します。
前回の「土日で作るオリジナル・エフェクター」と同様、半田ごてをはじめて握る人でも作れるように説明が細かくあり、この本に記載の記事掲載によって自作エフェクターを始めた人が多いのは間違い無さそうです。
ただし、オーディオ系の記事で何度も書いていることですが、「イイ音」というのは個人によって相違があります。ましてや個人個人の聴力の周波数特性も微妙に違うため、絶対的な数値やグラフによる評価基準よりも「感性で表現することが大切」なので、言ってしまえば誰でも評論家になれてしまうのがこの世界です。
もちろん、権威となるにはそれなりに経験と知識をつまなければダメでしょうが、評論そのものは誰でもできます。グルメ系と同じく誰でもすぐに感覚として捉えることが出来るからです。
やっぱりグルメ本かなあ。
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