またもや参加させて頂きました。
オーディオキット製作体験会会場
19・20日と開催されているデジット主催の製作体験会へお邪魔いたしました。
ディストーションキット
今回はさくっと作れそうな、LM308AHを使ったディストーションのキットです。
例によってキットは基板と部品のみ。ボリューム(ポッド)やケース、スイッチ、ジャックなどは別途そろえる必要があります。
LM308AH
メインのデバイスとなるLM308AHですが、ご覧の用にメタルカンパッケージです。
リファレンスモデルではDIPのパッケージだったようですのでメタルカンのパッケージの威力を確かめることができそうです。
ただし、実はこのキット、前回の製作体験会で曰く付きのキットなのです。
上の写真は前回の製作会でお客さんの製作した基板からもぎ取られたデバイス。
ハンダ付けの熱でやられて壊れた訳ではなく、部品の初期不良だったようです。初期不良というよりも側だけ同じで別のデバイスが入っているパチもんを納品されてしまったようです。
昨今の偽造の粗悪部品の混入は世界中で問題となっており、話はたくさん聞きますが実際に部品に遭遇する事は珍しい体験。この後、店頭と在庫も含めて全てのキットに梱包されているLM308AHについて治具を作成してチェックしたそうで、不良混入率が1割程度あったとか。たまったものじゃあありません。信用問題に発展しそうな不良率です。
まさか、受け入れデバイスを全数検査する手間をかける訳は行かず、納入業者の流通で入る部品を信用するしかないのですが、コピー品対策ではありませんが見た目だけですぐ判断できるのは困難です。とんだ災難な目に遭われたようで御愁傷様です。
実際、正規のルートでもパチもんが流れてくる場合もあります(居酒屋ガレージさんでの例)ので対策は難しいですね。
自分が担当者だったら溜息連発でモチベーションがゼロになりそうです。
筐体加工と基板の製作、内部配線まで済ませたのですが、無塗装のままだと他のエフェクターと判らなくなるという利用者の声に納得。透明のシートにデザインを入れて印刷し、貼付けようと思いますので、完成はもうすこし後になりそうです。実機テスト・試奏も未だですし。
結構このキットはいろんな方が改造記事を出しているようで、Landgraff Dynamic OverDriveへのMODが静かに流行っているみたいです。価格も安いですし、手を出しやすい事もあるのでしょう。
今回はちょっとキットとは違うものを製作しました。
LM4881 HPA
半完成状態である
デジットではLM4881を使ったヘッドホンアンプ(HPA)のキットを販売しているのですが、今回はサイズを小さくする事と違う回路を試してみたかったのであえてキットではなくデバイスだけデジットで入手して回路をユニバーサル基板で組上げてみました。
ケースは単4電池×4の電池ケースを加工し、たのしく拝見させて頂いているnabeの雑記帳に掲載の「単3×2、LM4880/LM4881 ポータブルヘッドホンアンプ」の記事のDC直結アンプの回路を製作してみました。
回路規模的には余裕で電池ケースに収まりますので、かなりポータビリティは高いと言えます。
本来は電源が±1.5Vの正負電源を使うため、2回路の電源スイッチが必要です。
その大きさのスイッチを押し込めないため、元々付いていた3P1回路のスライドスイッチをLM4881Nのシャットダウン機能を利用して電源スイッチの代わりに仕込む予定です。
仮で試聴してみましたが、ちょっと不具合で音が小さすぎるのです。構成回路ではデバイスデータシート上にあるゲインを決めるRfとRiにデータシートと同じ定数である20kΩでニッコームを使用しています。電源デカップリングはOS-CONの2700μF/2.5V。
LM4881は1チャネル200mWまで出力できるのはずなので、もっと大きな音で聞けるはずです。一応、音は鳴りましたがもう一度配線を確認する予定。
今回の製作体験会は告知からの時間が短く、参加者が少なかったようです。
しかしながら意欲的な製作に取り組む方々が参加されています。STEREO誌附属のアンプ基板を電源とともにわけありケースに収めた方が、USBデジタルインターフェースの製作に来られていました。他にも前回の製作体験会のフォローアップの方や、ヘッドホンアンプを製作される方、スピーカーエンクロージャーキットの組み立てなどなど、クラフトオーディオの世界に足を踏み入れた方やどっぷりの方々が参加されています。
毎度ながら、会場の設営と撤収に製作時のフォローなど両日とも終日スタンバイして頂いているデジットのスタッフの方々には敬服します。
この場を借りてお礼申し上げます。
また、次回参加させて頂きます。
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