LM4881ヘッドホンアンプ

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 先日の製作体験会で製作したヘッドホンアンプが完動しました。

LM4881 HPA
 LM4881 HPA

 参考にさせていただいた記事をもう一度見直して完動しました。
 原因はLM4881のSHUTDOWN端子の処理。±1.5Vで電源を構成しているのですが、何を勘違いしたのかSHUTDOWNをGND(中点電位)に接続していました。結果として約1.5Vの電圧がSHUTDOWNに入っておりちゃんとした電位におらず、当たり前ですがちゃんと増幅しません。-1.5Vに接続しなおしです。
 その他、1カ所怪しいハンダ付けを修復し、やっと完動しました。

 今回、ヘッドホンアンプを作るのにポリシーとして以下の基準を設けていました。
 ・電源は単三×2本で構成。
 ・電池にeneloopが使える事。
 ・筐体に単三×4の電池ボックスを用い、その中に収まる事。
 
 006P×2で電源を構成する方が良い音の出せる範囲が大きいのは判るのですが、持ち運んでいる際の入手性を考えると絶対単三電池の方が有利です。また、使い続けるにあたって、NiH電池などの充電電池が使える方がコストパフォーマンス的に有利です。手持ちのeneloopを活用したい所なので、この2条件は大きいファクターでした。
 ケースもタカチのMX/MXAなどを使うとかっこ良いのですが、金属系のケースはそのままでは外からネジを外さずに内蔵した電池を交換できません。
 さらに持ち運びを考えると、小さく・軽くが一番です。携帯電話ですら胸ポケットに入れて移動すると肩凝りになるので、金属筐体なんてもっての他です。カバンもすでにそこそこ色々入っており、通常持ち運びが重たいのでさらに重量を増やしたく無い思いも有ります。

LM4881 HPA 内部
 LM4881 HPA 内部
 ボリュームはマルツのRD925G 10kΩ(A)
 ヘッドフォン入出力はマル信のMJ-074を使用
 電源は単三eneloopを1.2Vx2の両電源として使用

 電池の交換性を考えるとネジで筐体を開けないと交換できないケースはかなり鬱陶しいので、電池ボックスを改造して製作しました。4本入る部分を電極を移動させ2本のみ使い、残りの部分を削ってフラットにして基板を収めました。
 電源デカップリングは推奨だったOS-CON SEPC 2700μF/2.5Vを、ゲイン設定の20kΩ抵抗にニッコームの金属プレート抵抗RP-24を使用しました。部品数が少ないので多少、部品を驕っても大した事有りません。
 電池ボックスに付いていた電源スイッチは固定ピンごと取り払い、手持ちの3Pのスライドスイッチをネジ止めとしました。筐体に2mmφ穴を開けて2mmのネジを締めるのは苦行です。写真では判りませんが、しょっちゅう動かす部分でもあり、弛み止めのため1種ナットの手前にスプリングワッシャを入れて締めています。

LM4881N
 基板部分
 キーデバイスはLM4881N

 National Semiconductor社のBoomerオーディオアンプシリーズとしてリリースされているLM4881Nです。電源電圧3Vの場合、ヘッドホンなどの32Ω負荷、25mW連続平均出力でのTHD+Nは0.03%と優秀です。
 定格電源電圧が2.7Vからなので、eneloopを使うとちょっと足りませんが、ちゃんと鳴ってくれているので良しとしましょう。

 外付け抵抗でゲインの設定も出来、サーマルシャットダウン保護回路も内蔵しており、ブートストラップコンデンサも不要で外付け部品が少なく、ポータブル機器として利用しやすいデバイスです。参照サイトの回路図を見れば判ると思いますが、いわゆる一般的な8pinオペアンプとはピン配置が全く違いますので配線時は注意が必要です。

 今までヘッドホンアンプについて、けっこう懐疑的だったのですが、使ってみて納得です。
 iPodの出力につないだだけだと出てこない音が鳴ります。内蔵出力アンプとの差でしょうが、同じ音量で聴いていても、終段の駆動力があるせいか低域がしっかりと鳴ってくれ、小さなインナーイヤーヘッドホンで音量を絞っても迫力のある音を楽しめます。下手なバスブーストをする必要は全く有りません。
 あくまでも感覚的では有りますが、小さなヘッドホンで聴いても低域から高域まで、かなりフラットな聴感です。
 
 部品点数は限りなく少なく、大変製作しやすいヘッドホンアンプだと思います。ただし入出力にカップリングコンデンサが挿入されていないため信号ラインにDC成分があるとそのまま出力してしまいますので、出力を外部アンプにつなぐ場合は注意が必要です。
 全部のパーツ代金2,000円程度でこの音が得られるなら充分価値があるでしょう。ただ、デジットのLM4881ヘッドホンアンプキットはプリント基板と実装部品まで含めて1,000円しかしませんので、そちらの方がかなりコストパフォーマンスが高いと思います。

 次のヘッドホンアンプを作らない限り(?)しばらく運用する事になるでしょう。

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Sabreberry+(RPi3)と組み合わせて使用しています。
OSはMoode2.7(AP化)です。
イヤホンはパソコン工房「IE002」です。
ヘッドホンはSennheiser「HD25」です。
とてもパワフルでクリアーなので、小音量で音楽を楽しく聴くことが出来ます。ESSのDACの静寂感を引き出せていると思います。(自分の好みの音が出ています)
昔使っていて最近まで机の引き出しの中で眠っていたiPodTouch4th(64GB)からAirPlayで接続して聞いています。Onkyo「HFPlayer」のイコライザーを使うことで好みの音にチューニングできます!!不満は一切無いです。

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このページは、なんぎが2012年5月22日 12:00に書いたブログ記事です。

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