号「雪舟」。涙で鼠を描いた逸話の残る日本画家です。
小坊主と鼠の看板
雪舟の涙で描いたネズミの逸話からでしょうが、小坊主と白いネズミが描かれています。
雪舟は画号で本名は小田等楊と言い、幼少のころに宝福寺に預けられ小僧の修行をしています。
逸話というのはその宝福寺時代のおおむね次のようなお話。
絵が大変好きな小僧さんだったようで、経を読まずに絵ばかり好んでいたことで腹を立てた住職が懲らしめに本堂の柱に縛り付けてしまいました。住職は忙しさにかまけて縛り付けていた事をわすれてしまい、夕刻に覗きに行くと足元に鼠がいるではありませんか。
噛まれては大変と住職が鼠を追い払おうとしてもいっこうに逃げる気配がありません。
よくよく見れば、生きた鼠と思ったものは雪舟が涙を使って足の親指で描いた鼠だったのです。
その絵に感服した住職は以後、絵を描く事を戒める事が無くなったそうです。
その逸話の鼠が居るように見えたシーンを看板にしているのでしょうが、どうも足元に居るのではなく、身体を這い上がっています。これは本当の鼠ですよね。
で、何の看板だか忘れそうになったのですが、仏具店の看板だったのをやっと思い出しました。インパクトの有りすぎる、印象に残りすぎる広告というのは何を宣伝していたか忘れてしまうという良い例です。
まあ、木魚が描かれていますので売りはそちらかと。
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