うどん好き、そば嫌い。ではありません。
「美々卯」 本店
いまや一般名詞化してしまった「うどんすき®」ですが株式会社美々卯の登録商標なのです。
先代の薩摩平太郎氏が昭和3年に考案したとされる「うどんすき」は、うどんを入れる寄せ鍋風の料理の事で、関西では基本的に出しは昆布だしのみ。入れる具材の出汁がでて複雑な味になり、その出汁でうどんを食べるという感覚です。うどんは締めの具材というより、手前の具材がうどんを食べるための出汁をとるためのものと言い換えても良いかもしれません。
具材は味が抜けるまで煮込んでしまう訳ではなく、火が通ったらすぐに引き上げて食べるため、くどい味やあくが出ないというメリットもあるようです。
やはりおいしい料理は模倣されるのが常で、同様の料理を他の店舗も出し始め、おなじ「うどんすき」という名称を付けたため訴訟となったのですが、裁判所の判断で今や一般名詞化してしまっているとの判断が下され、現在は事実上、登録商標としての役割が消失してしまっています。
「うどんすき」発祥の美々卯ですが、堺で「耳卯楼」として約200年の間料亭として営業していたのを大正時代に「美々卯」と屋号を変更し、昭和に入って株式会社美々卯となったとの事。
現在は複数店舗で展開されていらっしゃいますが、本店は大阪(大阪市平野町)です。
今後もうどんすき発祥店としての伝統と味を守って営業されて行かれる事を願います。継続は力なりではありませんが、激動の世情の中で続ける事は忍耐と努力が必要です。
裏メニューにうどんすきの最後のうどんをそばに替えて「そばすき」というのが有るらしいのですが、本店を利用した事がありませんので真偽のほどは確かでは有りませんが、なにやら美味しそうですね。そばなら関東の人も抵抗が無いかもしれませんが、出汁は黒く有りませんのでやっぱり無理かも。
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